2011年03月28日(水) 奇跡
「奇跡」とは、常識では起こることは考えられないような、不思議な出来事。大袈裟な表現をすればその奇跡が1月6日、私の目の前で起きた。 前日、中田(日ハム)との年始の始動トレーニングを終えた金本(阪神)は各マスコミの合同取材で今シーズンの抱負を質問され、右肩の状態を鑑み引退の言葉さえ吐露するなど悲観的な会見を行った。その後、当日のトレーニング指導の感想なり今シーズンの見通しを尋ねられた私も「奇跡的なことでも起これば・」などと発言し年始に相応しくない雰囲気に終始した。 ところが翌6日、状況は一転したのだ。この日は新井兄弟(阪神)の始動トレーニングが同じく報道各社を集めて行われた。 その終盤アスリート館内に打球音が響き渡ったのだ。音の主は金本。前日までバットを握ることさえままならなかったのに。「奇跡」が起きた瞬間だった。マスコミには非公開。目撃者となった私は我が目を疑った。つい数日前の元旦にも中田らへのバッティング指導でバットは握ってはいたがとてもスイングと呼べる動作ではなかった。 奇跡を起こした原因は、小波津祐一(こはつゆういち)氏の「神経筋無痛療法」。チームメートの紹介で年末から治療を受けていたのだが、この日その効果が形になって表れた。それも劇的に。 金本の右肩の状態は既に報道のとおりかなり深刻で、ほぼ断裂した棘上筋、更には悪い状態での酷使による棘下筋肉離れや周辺の神経障害等とても高度なプレーを期待出来る状況ではなかった。昨シーズン終了後の安静期間を経ても一向に快方に向かっていなかった。バットどころか着替えも満足に出来ずグラスを持つのさえ支障があるほどだったのだ。 小波津氏が提唱・実践する神経筋無痛療法とは、様々な要因で抑制されている神経伝達物質(アセチルコリン)の分泌を促す療法により、筋肉を正常な動きが出来るようにするとのことらしいが、理論的にはある程度理解出来ても実際のところ良く分からない。何しろ奇跡なのだから。 その小波津氏が正月に当面の目標は開幕スタメンと言ったとおりに進んでいる。 治療がいかにうまくいっても正常に動くはずの筋力が低下していてはプレーの質は期待出来ない。私も本来のパフォーマンスを裏付ける筋力アップに貢献しなければならない。 4月12日。紆余曲折はあったが開幕日も決定した。 奇跡の目撃者にあなたも加わってもらいたい。 最後になりましたが今回の大震災で、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。 障害を克服しつつある金本だけでなく全球団・全選手が被災された方々を勇気付けるプレーをしてくれることを願ってやまない。






